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看護業務の技術的評価について・その1
池上 直己
1
1慶応義塾大学医学部病院管理学教室
pp.527-531
発行日 1978年9月25日
Published Date 1978/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907242
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ある患者がある訴えをもって病院で受診し,診察の結果入院となる.1週間入院した後,症状は改善し退院となったが,ここで行われた医療行為が最適であったかどうかを第三者が判断することは容易なことではない.まず,その患者のもっていた身体的,あるいは心理社会的問題は特異的であり,かつその再現性は不可能である.それゆえ,当事者以外は正しく判定できないという要素がある.
次に,たとえその患者の状態を公平にある程度把握できたとしても,何が適切であったかは医療従事者各々で意見を異にするであろう.すなわち,医療のように多くの部門の職種の協力より成り立ち,さらにその職種ごとにもコンセンサスを得られにくい領域では,評価する人々の各々の立場を反映して,種々な判定が生じてこよう.
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