研究
産業保健婦業務の評価—その計画と評価
村川 和子
1
1富士電機川崎診療所
pp.56-61
発行日 1961年5月10日
Published Date 1961/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202332
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1.はじめに
産業保健婦(Industrial Nurse)という言葉は,アメリカではすでに30年以上の歴史があるということです.しかし日本では私達の社会でこそ通用しますが,まだまだ一般には耳新しい響きをもつていると思います.その証拠には,私自身現在勤めている職場で,産業保健婦という名称で呼ばれたことはあまりありません.産業保健婦としての仕事は,一応やつてきているつもりではありますけれど,大体この名称の定義がどうも漠然としているようですし,なすべき仕事の範囲も私には明確でないように思えます.今までの保健婦を産業現場に持つてきたというのではなく,産業現場に必要なNurseの仕事があるように思います.したがつて日本ではこれから私どもが作つていかなければならない仕事の分野と考えます.そこで私は私の立場から産業保健婦の定義を仮定して,今までやつてきた仕事を申し述べてみたいと思います.もちろん題名にある評価(Evaluation)という言葉にぴつたりあつた内容の記述は,私には今のところ不可能ですが,私の職場に私が加わつたときから現在に至るまでの間仕事を進めてきた状況,つまり評価のための序論に相当することがらを述べ,多少評価という言葉に値することにふれたいと考えます.
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