第2回四大学看護学研究会研究報告
研究報告・3—アメリカにおける大学看護教育課程の現状と問題点
小島 操子
1
1徳島大学教育学部看護学教室
pp.349-354
発行日 1977年6月25日
Published Date 1977/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907102
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はじめに
アメリカにおける看護教育は,ほとんどが看護出身者によってなされており,そのカリキュラムは,各州にあるState Board of Nursing6)(以後SBNと略す)や全米の看護専門職団体であるNational League for Nursing12)(以後NLNと略す)などのカリキュラム規準に基づいて,各看護教育機関に属する人々の看護や看護教育に対する哲学(philosophy, NLNではbeliefs and valuesと定義10))を中心として,自主的に作成されている.SBNでは,各教育機関の看護婦資格取得諸条件が充足されているかどうか審査するが,この自主的に作成されたカリキュラムも,SBNで認定をうける6).さらに,看護婦資格取得のための必須条件ではないが,看護の教育水準を高めるために,ほとんどの教育機関がすすんでNLNでそのカリキュラムを中心に批判を受けている12).これは,看護専門職団体による高度な看護教育を推進するための,自主的な資格認定である.
このように,カリキュラム作成が各教育機関の自主性に任されたために,同レベルの看護教育機関においても,一見,全く異なったカリキュラムによって,教育が行われている.この現状を,ある人々は看護教育の混乱ととらえ,ある人々は進歩であると考え,いろいろと論議されている.
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