——
筑波大学附属病院の看護体系試案
筑波大学附属病院創設準備室
pp.7-12
発行日 1976年1月25日
Published Date 1976/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906950
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.看護め機能
1.看護についての基本的な考え方
欧米の病院はHospital,Krankenbausと呼ばれる.このことばに.みられるごとく病院は愚者の家.患者を世話する施設として位置づけられてきた.それに比較し,我が国の病院,特に大学病院は診断,治療—医学の場として発展、位置づけられてきた.従って.看護も医師の指示のもとに行う診療介助的看護を中心としてきた.しかしながら,戦後,看護は判断力創意性,自立性を発揮し,患者の健康回復を積極的に支援するものとして,保健婦助産婦看護婦法が改正された(昭和23年).
一方,医療の概念も拡大し,包括的医療,医療のシステム化が進み,病院機能は多様化してきた.医療・看護概念の拡大,病院機能の多様化は結果的には医療従事者の仕事量を格段に増やし,また多くの知識,技術が求められることになった.医療の中の深刻な問題といわれる看護婦不足は,具体策—(職種間の業務の調整など)のともなわない病院機能の多様化という状況と深く関連しているといわれている.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.