特別論稿
看護とは
小林 登
1,2
1東京大学医学部付属看護学校
2東京大学医学部小児科
pp.23-30
発行日 1974年1月25日
Published Date 1974/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906739
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医師である筆者は,看護を実際に体験したことはない.20年ほどまえに大学を卒業して直ちに入った,アメリカでのインターン・レジデントとしての診療活動,その後の東大病院小児科での診療活動のみが看護との接点であった.しかし,その期間では,看護を医師の医療行為に対応するものとしての認識は全くなかったといってよい.
しかしながら,時の流れとともに,いつか筆者は,東大医学部付属看護学校の学生に対して小児科学を講ずる機会をもったり,またこの3年間は,看護学校校長という大役を引き受ける立場となった.したがって,筆者は好むと好まざるとにかかわらず,‘看護とはなにか’‘看護教育はいかにあるべきか’という問題を考えさせられた.実際に,看護学校の学生諸妹や教官諸姉と‘話し合い’(学生諸妹はしばしば‘団交’とよんだりしたこともあったが)をしてみると,全く看護には問題が多いことを思いしらされたのである.
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