教育技術解説・1
教育の性格
長谷川 栄
1
1新潟大学教育学部
pp.55-59
発行日 1973年1月25日
Published Date 1973/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906649
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1.はじめに
本欄は,看護教育に熱心に取り組んでおられる先生方のために教育技術に関する諸問題を取り上げて,これらの解説によって日々の実践活動に指針を示し,少なくともその向上に貢献しようとするものである.こういう教育技術の解説は,ほんとうに真剣に看護教育の活動に従事している先生方には不要であるかもしれない.というのは,そういう先生方は日常の活動のなかでつまずいた事実から教育問題をとらえて,これをさまざまな経験から思案し,そこから教育的知恵ともいうべきものに実らせて,これを教育の実際に生かして解決をはかっている,と考えるからである.
ところでここで思い起こすのは,科学的教育学の建設者といわれるヘルバルトという人の次のことばである.すなわち‘90歳の村の学校の先生は,90年にわたる自分の単調な慣習的行為を経験してきている.彼は自分が長年苦労したという感じを抱いている.しかし,彼は自分のやってきた所業と方法をも批判しているであろうか’というのである.
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