進学課程における看護学総論学内実習のすすめ方 神奈川県立衛生短大の事例
Ⅵ.症例報告のまとめ方と発表のしかた
波多野 梗子
1
,
森田 チヱコ
1
,
中西 睦子
1
,
小野寺 杜紀
1
1神奈川県立衛生短期大学
pp.381-388
発行日 1972年7月25日
Published Date 1972/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906601
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.実習目的
本学は単一の実習病院をもたず,1学年80名の学生を県内および県外の主に4病院に分けて,学外実習を実施している.学生は約20名ずつが卒業までそれぞれ同一病院で,成人(内科学,外科学),母性,小児の4系統を実習することを原則としている.
系統別実習の内容,方法としては,症例を受けもち,患者中心の看護を通してこれを行なう.すなわち,患者をまず把握し,看護計画を立案し,それに沿って実施し,評価するという一連の看護過程をふんだ実習をいずれの病院にても行なう.これら看護過程を適切に遂行できる様指導するために実習期間中カンファレンスをもつと同時に,症例報告を全員に行なわせることを原則にしている(その時期は,各病院,病棟により異なるが,必ず実施する).そこでは,学生が立案した看護計画がどれ程実行され,効果があったか否か,あるいはなぜスムーズに計画が実施されなかったのかなどを自分で問題提起し,病院スタッフおよび短大側教員,他の学生から助言をあおぐ.したがって,ここでいう症例報告とは,受け持ち症例看護を完結したものとしてまとめるのではなく,あくまでも実習の中の一部とし,実際場面にそくしその問題点,改良点をさぐるものである.それゆえ,症例報告のための資料は,定められた時間内に発表できるよう,簡潔で要領よくまとめることに主眼をおいている.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.