特集 医療におけるウーマン・リブ
看護機能を阻害するものは何か—専門職としての独自性の確立へ向って
城 慶子
1
1熊本大学教育学部看護科
pp.12-19
発行日 1971年3月25日
Published Date 1971/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906429
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はじめに
熊本大学教育学部特別教科看護教員養成課程に勤務して2年間がすぎた現在,15年近くを臨床看護婦として過した大学病院外科勤務時代をふり返って,その時点では気がつかなかったり,問題意識として取り上げることのなかった数々のことを整理しながら反省するとともに,今後の指針としたい。
そもそも私が看護婦を一生の仕事にえらんだ動機は,小学生の頃近所にあった,当時の陸軍病院の看護婦の赤十字の帽子へのあこがれにはじまる。また,終戦を迎えた外地で風邪をこじらせ,引揚げまでの2カ月近くを通院した病院の看護婦の,献身的ともいえる仕事ぶりに心をうごかされた。自分も大きくなったらと,1人ひそかに心をきめていたところ,たまたま,高校3年の時,熊大附属看護学校からの募集があり,看護婦への道を進んだわけである。卒業後は,熊本を離れることに父母が反対したこともあって,そのまま大学病院に残り,希望していた外科への勤務も実現し,大きな期待と少々の不安の入りまじった複雑な気持で,看護婦への第一歩をふみ出したわけである。
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