随想
老化にたち向って生きる
園田 真人
1
1北九州市環境衛生研究所
pp.330
発行日 1983年5月15日
Published Date 1983/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206703
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戦争が終ったとき19歳だった私は,自分が老人になるまで生きるなど思いもしなかったし,いまだに,心のすみに,戦場に散った先輩や友人たちに申しわけないという心情がある.しかし,いつまでも若くはなく,老化と対決しなくてはならぬ年齢にさしかかってきた.
老化とはなにか,学生たちに質問すると,精神的にも身体的にもおとろえることなどと,WHOの健康の定義をまねたり,白髪になって歯がぬけることとか,体が動かなくなることなどを答えたりするものが多い.世界の老人学を学ぶ学者は,第一に「老化とは環境の変化に対応できなくなること」をあげている.
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