特集 学生看護研究を指導する
論稿 学生研究指導の方向
井上 坦
1
1慶応義塾大学教育学
pp.2-5
発行日 1969年1月1日
Published Date 1969/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906109
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1.はじめに
大学で教育学を専攻している私が,看護学生研究指導について述べるということは,まことにおこがましく,場違いでもある。しかし,そう思いながらもなおペンを取ることにしたのは,次の二つの理由によってである。一つは,私も少しの間ではあるが,看護学院の講師として将来の看護婦たるべき女性に,教育学を講じた経験があり,この時の経験が私に,看護というものに一種のなつかしさ,親近性をもたせているからである。もう一つは,その少ない経験からいって,看護教育や看護研究に対して,いわば第三者の立場にある私のようなものからの発言も,それが,研究指導というもの一般について,大局的視点からなされる時,看護研究指導にとり,案外に重要なことを含むかもしれない,ということである。そこで,まず研究と呼ばれるものの指導に基本的に必要と思われる事柄を論じ,次第に指導の具体的な配慮に触れるという方向で,論述を進めようと思う。
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