特集 リハビリテーション・セラピストの教育
職業更生カウンセラーの教育
小島 蓉子
1
1日本女子大学文学部社会福祉学科
pp.33-38
発行日 1966年5月1日
Published Date 1966/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905623
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わが国の職業更生カウンセラーの現状と必要性
リハビリテーションは,ベッドにいる患者に心身の自立を援助し,個々の能力を最大限にまで回復させ,できる限り正常な社会生活に経済生活面の独立を通して復帰させることを目標とする。この主旨からの要請により,わが国でもリハビリテーションのための医療も,看護学も,理学療法も,作業療法も,近年長足の進歩をみるようになった。病院や療養所や施設内でのサーヴィスは専門分化され,高度化されたが,とかく未だ手薄さを感じさせるのは治療の限界に達した人々の社会復帰の停滞をさばく職業部門の活動であろう。
先年,東京でパラリンピックが開かれたとき,集った外国選手はほとんど社会で働く障害者であったのに反し,わが国の代表者たちのほとんどはまだ病院に残されたままの身分での参加であったとは,まさにその良い例といってよい。この原因にはさまざまあるが,中でもリハビリテーション施設における積極的な職業更生援護対策の手薄さと,職業更生に関する社会資源(シェルタードワークショップや在宅雇用制度,指定職種など)の量と質の不十分さとは否定しえないマイナスの要因かと思考される。
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