巻頭言
更生とリハビリテーション
樫本 修
1
1宮城県障害者更生相談所
pp.105
発行日 2006年2月10日
Published Date 2006/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100241
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知り合いの整形外科医に「更生相談所って何をしている所?」と聞かれることがある.「補装具の判定,地域リハビリテーション,障害認定……」など,いちいち説明するのもそろそろ面倒になってきた.リハビリテーション科を標榜している医師でさえ知らないのは当然として,福祉や障害問題に関心のある人でもその役割,機能を本当に知っている人は少ないと思う.ましてや利用したことがない障害当事者や地域の方々は知る由もない.どうもその「更生」という言葉が一般にはなじみがなく,役割が理解されない大きな原因であると思われる.
「更生」は広辞苑によると「いきかえること,よみがえること,反省・信仰などによって心持が根本的に変化すること.過去を精算し,生活態度を改めること.不用品に手を加えて再び利用できるようにすること」とある.何やら負のイメージのものを復活させるということで,言葉から受ける印象ははなはだよろしくない.ましてや,ワープロ多用の現代,「更正」と間違われること頻回である.
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