連載 教育心理学講座・7
カウンセリングの原理と技術
北尾 倫彦
1
1大阪学芸大学
pp.63-66
発行日 1965年10月1日
Published Date 1965/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905529
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生徒たちのなかには,日常の生活環境にうまく適応している者ばかりではなく,種々な原因によって適応の問題に苦しんでいる者が少なからずいるはずである。そして,ある者は適応に失敗した結果,学業生活を放棄してしまったり,さらには人生の堕落の道をたどることもある。
このような生徒たちに不幸な道を歩ませないようにするためには,適応の問題に苦しんでいる初期の段階において助力を与えてやる必要がある。カウンセリング(counselling)とは,適応上の問題に直面して,助力を必要としている人に対して,種々な助言や技術を聞いて適応への援助をする過程をいう。ひとくちに適応上の問題といっても,種々さまざまであり,また助力の方法にもいろいろな技術が考えられるであろうが,どうしてもこのような不適応者に対する相談・助言の正しい原理と技術を研究しておく必要が生じてくる。
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