特集 看護教師のあり方
教員養成機関の発達と現状
石戸谷 哲夫
1
1教育大学
pp.26-30
発行日 1965年5月1日
Published Date 1965/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905453
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昭和33年に中央教育審議会が,「教員養成制度の改善方策について」を,文部大臣の諮問に対して答申した,その前後のころから,教員養成に関して各方面から声明が出されたりして,論議が活発に行なわれてきている。この教員養成問題というのは,教員をどのような機関で,いかなる教育課程で養成するか,ということだけでなく,教員志願者の選抜,教員資格の付与,教員採用,現職教育,教員需給の調整,などをどうするか,といった諸側面をも含んだ,複雑な問題である。さまざまな意見や利害がぶつかり合い,理論と財政現実,伝統的感情と革新的思想がくいちがって,一致した“期待される教員養成制度像”は生じがたいのが現状である。わが国の現行の養成制度が,どのような経過で今日のようなものになったのか,現状の改善についてどのような論議が行なわれているのか,について大要をのべ,看護教育者養成のあり方を検討する上での参考に供しよう,というのがこの小稿の意図である。
ただし,教員養成といっても,教員にはさまざまな種類があるが,ここでは主として初等教育ないし義務教育の教員,という範囲に絞って述べていくことにする。
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