特集 看護教育新しい年に期待するもの
看護教育の新しい概念—イギリスの看護教育改革
バーバラ・N・フォークス
,
酒井 千代子
1
1都庁看護課
pp.28-31
発行日 1965年1月1日
Published Date 1965/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905400
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どういう考え方で改革されたか
看護学生の教育の改革は,それを実施するのに時間を要し,またその改革によって,国の看護事業がどのような影響をうけるかについての注意深い予想と考察なくしてはじめられるべきではない。このような改革は,今日の訪問看護婦と地域社会看護婦学生の教育にきわめて重大な関係を持っており,また看護婦とともに働く雇用主によっても認められなければならないのである。
今回の変革は,患者の要求をより効果的に満たしたいという欲望と,看護学生の教育をより実際的な満足すべきものとするためにはじめられたものである。この改革にもっとも大きな影響力をおよぼした二つの理由は,退院する患者の社会的,経済的要因を看護学生に理解させることが必要であること,看護教育に影響を与えた医学の進歩とりわけ患者に非常に危険な,しかも速い経過をもたらす薬物の使用の増加,静脈注射による治療法が一般化してきたこと,さらに体液の浸透圧の均衡を保つことの重要視,などである。これらの要因のすべては,看護学生に対して教育の初期から患者の変化を注意深く観察することを要求し,その観察力が向上することを要求するのである。そうして要求されるような,すぐれた観察をすることができるように,看護学生は必要な教育をうけなければならないのである。
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