社会の窓
生理休暇の正しい見方
野口 肇
pp.558
発行日 1961年11月1日
Published Date 1961/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904099
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あるいは記憶のおかたもあろうが,雑誌「婦人公論」の去る2月号に「生理休暇,この現実をみよ」という読み物がでました。
これはふたりの評論家が丸の内周辺の16会社につとめるBGから219枚のアンケートをもとめ,うち30名は直接面接した調査結果を発表したものです。それによると,生休2日を公認している会社でも消化率はひどくすくない。苦痛に若干の個人差はあるが,まずその必要なしという意見です。さらに筆者たちは,生理休暇は外国に例のすくない日本独特の制度で,そもそもの契機は,敗戦直後の極端な物資の欠乏,緊急な母体保護の必要が生んだ過渡期の遺物で,「女性の自覚的職場進出と生休獲得は逆比例」,生休への「権利意識を脱却せよ」と断定したものです。
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