研究と資料
生理休暇に關する知見
江口 豐潔
1
1富士紡豐濱工場醫務課
pp.307-317
発行日 1948年4月25日
Published Date 1948/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200280
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1.緒言
新に勞働基準法が公布確立され,母性の尊重擁護を目的とした生理休暇が勞働婦人に認められ.遂に條文化されるに至つた。抑々生理休暇は既に諸外國では認められてゐるものであるが,その條文化を見たのは今次我國に於てのものを嚆矢とするのであつて,右は全く對女子勞務者の封建性打破と,衞生厚生施設が非常に不備不完である邦家の現状に於て誠に妥當合理的な措置として欣快に堪へない次第である。
依つて吾人は之れが實施に當つてはその萬全を期したく,先づ一般に婦女子の生理に關する知識を啓發培養の上基準法の示した生理休暇附與の精神を十分咀嚼消化して,經營者及び勞働者側相共に緊密な連繋を保持しながら勞働婦人の當該職場に於ての精神的肉體的障碍を極力排除する様努め,體位の向上健康の保持増進を圖り勤勞意慾の發揚生産の増強等に寄與する責務があると信ずる。
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