看護管理講座
よい婦長としての条件
三原 七郎
1
1全国社会保険協会連合会
pp.285-288
発行日 1961年6月1日
Published Date 1961/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904042
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病院経営は看護婦教育以外の何ものでもないといった人があります。もちろん病院業務の第一義的な中核は医療でありますから,優秀な医療スタッフを揃えて適正な医療を施すことは不可欠な条件ではありますが,看護の仕事は昼も夜も,患者の枕頭に直接しているだけに,患者の満足感,幸福感を左右することはむしろ医師以上のものがあり,そのために,頭書に述べたような,病院の運営にとっては良い看護婦を揃えることが,絶対的な条件であるという意味の言葉が出たのでしょう。
ところで,それほど重要な役目をもった看護婦を指導し教育しつつ,適正な看護が行われるように管理してゆくのが,婦長の任務ということになりますから,婦長の良否は病院の盛衰にも強く影響するということがいえます。事実,私ども病院長としての体験から申しましても,良い婦長が揃っているときは実に安心しておられるし,病院に出勤するのも心が軽く楽しいのですが,さもないときは,寝ても覚めても気にかかり,いわねば分からず,いえばなお悪し……少々大袈裟に表現すれば,七転八倒の苦労を味わいます。
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