グラフ
パリの街から見る代替医療(médecines douces)
百々 雅子
1
1山梨県立看護大学短期大学部
pp.602-605
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903891
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先進国と呼ばれる国々において代替医療(相補医療)1)への関心が高まっている.この関心の高まりは代替医療の一部を公的医療に取り込み,保険制度を適用するまでに達している.今年3月,パリに短期間滞在したが,その折に,驚きの感覚をもって街で見聞きしたことをここに紹介したいと思う.
フランスにある代替医療の種類は現在150以上といわれる.実にさまざまな治療法のなかから代表的,一般的なものをあげると,ホメオパシー,オステオパシー,キネシセラピー,カイロプラクティック,アロマセラピー,フィトセラピー,鍼(はり),気功,マッサージ,ヨガ,漢方2),アーユルベーダ,磁気療法,イメージ療法,音楽療法,カラーセラピーなどである.多種多様であるがゆえに,これらすべてに共通する特徴をまとめることは難しい.が,人々はこれらを総称してmédecines doucesという.つまり治療に伴う副作用や苦痛が少ないという意味で,「自然な,やさしい療法」ということである.もちろん「代替医療」を文字通り表すmédecines alternatives(英語のalternative medicines)もあるにはあるがmédicines doucesの方が好んで使われている.douceという「穏やかさ」を表す言葉が気に入られているようだ.このうちホメオパシーはフランスでは公的な医療の扱いを受けている.
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