看護教育研究
生活者としての患者を理解するための教育方法の検討―オムツ装着の疑似体験を通して
二重作 清子
1
,
薬師寺 文子
2
1日本赤十字九州国際看護大学
2広島県立保健福祉大学
pp.711-715
発行日 2003年9月25日
Published Date 2003/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903492
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はじめに
医療技術の著しい進歩・発展によって,かつては不治の病とされた難病患者や慢性疾患患者の長期生存が可能となった.しかし,患者の生活の質という視点から見た場合,患者が満足した状態で日常生活を送っているとは言い難い.特に日常生活の営みが自力でできなくなった患者の心理的な苦痛は大きく,他者からの援助を受けることに対する気兼ねや自己評価の低下を伴うことが多い.患者にそった援助を行うためには,先ず,患者を理解する必要がある1)といわれる.
少しでも患者の立場にたった援助を実施するためには,生活者としての患者を共感的に理解する必要があり,そのために看護基礎教育の段階から患者をより具体的に理解できるような教育方法を検討している.その方法の1つとして,学生の日常生活における疑似体験を取り入れた.
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