学生研究
助産師学生として,アンケート調査を終えて学んだこと
吉住 布美恵
1
,
難波 茂美
2
1久留米大学病院総合周産期母子医療センター
2岡山県立大学保健福祉学部看護学科
pp.692-696
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100577
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
調査に至るまでの取り組み
近年,社会の複雑化に伴い,性に関する情報も氾濫している。これが若年者の性行動にも影響を及ぼしていると思われ,10代の性に関する問題が社会で大きくとりあげられている。
我が国でも現代の高校生は同世代の性交渉を6割が肯定し,人工妊娠中絶後の調査1)でも8割が性交渉を肯定していることが明らかになっている。一方,我が国の人工妊娠中絶総数は1980年は約60万件,1998年では約33万件であり,この18年間に約2分の1に減少してきている。しかし,総数全体に占める20歳未満の中絶数の割合は1980年では4.7%(20歳未満の総数は1万9千件),1990年では6.6%(3万3千件),1998年では10.4%(3万5千件)と年々増加してきている。このような増加傾向のなかで,性情報の氾濫,初体験の若年化などが今後も10代での望まない妊娠や性感染症,人工妊娠中絶をさらに増加させることが予測され,危ぶまれる。それと同時に,実際に私自身も10代の人工妊娠中絶が簡単に数多く行なわれているのを目の当たりにし,現在の10代における人工妊娠中絶の増加に危機意識を抱いている。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.