特集 クリティカルシンキングのスキルを育てる
第1部 クリティカルシンキングとは何か
暴力をめぐる問題にクリティカルシンキングを活かすために―児童虐待・DV・性暴力を例に
米山 奈奈子
1
1東海大学健康科学部
pp.939-944
発行日 2002年11月30日
Published Date 2002/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903312
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近年,日本でもやっと暴力と健康に関する問題が,医療看護福祉,特に公衆衛生の問題として取り上げられるようになってきた.
暴力とは例えば,大人から子どもに向かう児童虐待,親密な関係にある男性から女性に向かうドメスティック・バイオレンス(以下,略してDVとする.DVは親密な同性間や,女性から男性に向かう場合もありうるが少数である),子どもや孫の世代から高齢者に向かう高齢者虐待,主に男性から女性に向かう性暴力などがあげられる.実はそうした暴力の問題すべてに,「権力(パワー)による支配とコントロール」という共通の構図が存在する.本稿では暴力の問題に対して看護職が,クリティカルシンキングをどのように活用しながら介入できるのか,考えてみたい.
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