看護教育研究
成人看護学授業における疑似体験学習の重要性―片麻痺患者体験と対象理解の関係
松村 三千子
1
,
松浦 妙子
2
1神戸常盤短期大学看護学科
2大阪府立千里看護専門学校看護第一学科
pp.128-133
発行日 2002年2月25日
Published Date 2002/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903145
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はじめに
看護は人間尊重の精神を基盤として構成され,人間存在全てを対象として実践される.対象を全人的に理解するためには,ホリスティック概念の人間理解が前提である.そこでホリスティック概念におけるケアリングの方法として,成人看護学(脳神経看護学)授業展開では,片麻痺患者の看護場面を再構成して,体験学習を授業に取入れている.
看護学の各領域で対象特性を教授しても,記憶が内在化するまでには至らず,知識として記憶される保証はない.学んだ対象特性を看護で実践可能な知識とするには,学習と実践の間に,接着剤としての体験学習が必要である.そこで成人看護学(脳神経看護学)授業展開の工夫として,片麻痺を直接体験し,看護の果たす役割をどのように洞察したか,体験学習で対象の特徴をどのように認識したか明らかにすることを目的に,学生の反応,実践レポートから考察したので報告する.
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