海外文献にみる看護教育学研究
重症頭部外傷患者に対する体位:研究に基づいた実践
大久保 暢子
1
1聖路加看護大学基礎看護学
pp.300-301
発行日 2001年4月25日
Published Date 2001/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902486
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頭部外傷(TBls)はアメリカで最も頻繁に起こる身体障害を伴う損傷である.TBlsに起因する主な脳損傷は,一度被ると不可逆的であるため臨床ケアとしては,頭蓋内圧亢進や全身管理,多機能の安定,TBlsによる2次的脳損傷防止に焦点が置かれている.
2次的脳損傷は,脳浮腫,低酸素症,炭酸ガス過剰症,低血圧,換気障害,アシドーシス等の全身障害を起因としている.さらに心血管系の虚弱,自律神経機能不全,体液電解質異常,重症人工換気依存,肺合併症,脳血管性異常といった多機能の問題が同時に起こることで相当なリスクを2次的脳損傷によって経験する.この複雑で多機能にわたる身体変化が,様々な体位変換に最も耐え得ないTBls患者にしてしまう.
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