グラフ
新しい心臓病患者シミュレータ『イチロー君』で学ぶベッドサイド診察法
高階 經和
1,2
1社団法人臨床心臓病学教育研究会
2アリゾナ大学内科
pp.321-323
発行日 2000年5月25日
Published Date 2000/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902248
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近年,患者への最初のアプローチの段階で臨床診断をハイテク技術に依存するため,本来は医師や看護婦など医療関係者が身につけるべき臨床における診断法を軽視する傾向がみられる.しかし,往診先での診察や訪問看護をはじめ,緊急時の医療現場においてハイテク技術を駆使した診断を行うことは不可能である.したがって患者の問診から始まり,患者の頸動脈や胸部の視診,全身の動脈の触診や心尖拍動の触診,そして心音や心雑音の聴診という五感を使って患者を診察する診断手技をマスターすることは現代でも必要な技術であり,さらにその技術を絶えず維持していくことが求められている.
それらの手技は繰り返し実施しなければ身につかない.そこで開発されたのが,等身大の人形に身体所見を内蔵させた『イチロー君』である.『イチロー君』には最新のデジタル,コンピュータ技術を応用し,本物の心臓病患者より得られた99症例のデータを入力し,限りなく本物に近い患者になってもらった.
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