連載 薬理学―見方をかえたら・6
プラセボー効果について
堀 誠治
1
1東京慈恵会医科大学薬理学講座第1
pp.877
発行日 1998年11月25日
Published Date 1998/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901942
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今回は,薬物の臨床効果を判定する際に,しばしば用いられるプラセボー(偽薬)について述べる.
薬物の有効性を判断する際には,薬物を服用したという心理的な影響を除去するために,薬理作用のないものをコントロールとして用いる.これを“プラセボー(偽薬)”と呼んでいる.薬物開発における薬物の有効性判定に,プラセボーが,重要な役割を果たしていることは言うまでもない.もっとも,臨床試験においては,本来のプラセボー(薬物作用がないと考えられている物質)ではなく,コントロールに用いる薬物にも,対象疾患にたいして効果を有することのわかっている薬物(アクティブプラセボーと呼んでいる)を用いることが多い.
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