Japanese
English
展望
プラセボーに関する諸問題
Some Problems on Placebo
桜井 図南男
1
T. Sakurai
1
1九州大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Psychiat., Kyushu Univ. School of Med.
pp.858-866
発行日 1965年10月15日
Published Date 1965/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200908
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I.はじめに
近ごろ,プラセボーPlaceboに対する関心がたかまりつつあるようだが,これはShapiroが,1957年に,この問題に関する綜説を書いたのがきつかけになつたといわれている。その後,プラセボーを使つた二重盲検法double-blind methodが薬物の効果判定に,ひろく導入されるようになつたが,10年前には,プラセボーを対照にした臨床実験はほとんどなかつた。
現在では,二重盲検法を行なわない薬物の効果判定には,十分の信頼性がないとさえいわれているが,この二重盲検法について,Inteurはその名前がよくないから,controlled methodというべきであると提案しているし,また,Sainzは二重盲検でも,まだ,満足できない。三重盲検法tripple-blind methodをこころむべきであるという。
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