特集 看護技術教育のこれから
第3部 看護技術を見直す
「血圧測定」に関する技術と「血圧」に関する知識
平田 雅子
1
1神戸市看護大学短期大学部
pp.976-990
発行日 2001年11月30日
Published Date 2001/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902636
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はじめに
筆者がはじめて看護の分野に関わりを持ったのは,今から25年以上前,大阪のある看護専門学校で物理学の非常勤講師を頼まれた時である.看護学生のカリキュラムを見て,習得すべき科目の種類の多さに驚いたことを覚えている.同時に,こんなに忙しいカリキュラムなのだから,看護学生にとって意義ある内容の講義をしなければと思い,姿勢を正したのであった.
ところが,前任者から渡された教科書は,一般大学の教養課程で用いる「一般物理学」で,こんな内容では,看護の役に立たないし,学生も興味をもてない.教務主任の先生が「学生は,物理が不得手でして….興味をもてないので授業中眠る学生も多いのです」と言われていたが,当然だろう.看護学生にとってもっと興味をもてる,看護に役立つ講義をしなければ…と,授業の始まるまでの3か月間,看護・医学の教科書を参考にしながら,一般物理学の内容を看護学生向けに少しずつ構築していった.
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