特集 生涯人間発達学入門―人間への深い理解と愛情をもった看護者を育てるために
はじめに―発達に関する基礎知識―生涯人間発達学の基本的視点
服部 祥子
1
1大阪府立看護大学
pp.594-600
発行日 1998年8月25日
Published Date 1998/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901881
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人間は父と母の結合によって生命が生み出され,この世に誕生する.そして親をはじめとする周囲の大人によってはぐくまれ,教育されて成長する.大人になった人間は通常親を離れて独立し,仕事をする.また異性と出会い,愛し合い,子どもを設ける.そしていつか1人で死ぬ.生まれてから死ぬまでの道程を一生涯という.
この普遍的な一連のできごとを包含する人間の生涯について,関心をもたぬ人はおそらくあるまい.ただ人間はきわめて複雑な存在であるため,人間の一生涯の発達を論ずるには生物学,医学,心理学,社会学などの豊富な知識が根底にあることが不可欠である.さらにそれらを統合してゆく必要がある.すなわち生涯人間発達学は学際性の高い学問なのである.
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