特集 在宅看護論・精神看護学の実習をめぐって
こんな保健所実習にしたい―看護学生の実習に関する現場保健婦の意見
柳沢 尚代
1,2
1前:渋谷区渋谷保健所
2日本赤十字武蔵野短期大学地域看護学専攻科
pp.360-364
発行日 1998年5月25日
Published Date 1998/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901829
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はじめに
「保健所と病院の連携がどれだけ大切なことか,長年実習指導で話し続けたが,実習生を送り出している病院の看護婦からは何の患者連絡もなく,何のための指導だったのか虚しい」「2日間の実習で学生がどんなことを感じ,これからの臨床看護に何が活かせるのか見えてこない」「学校により,違う目的・目標を立てているが,果たして実習結果の評価をどのようにしているのか疑問である」などなど,看護学生の実習に関する現場の保健婦の意見は,指導の先が見えないもどかしさを切々と訴えるものが多い.
1996年12月に東京都・特別区保健婦,保健士会が看護学生アンケート調査を実施し,看護系学生の実習に関して,保健婦から多くの率直な意見が寄せられた.この調査では,実習期間の短縮に対応して事前学習で学習意欲や知識を高められるよう,オリエンテーションの持ち方を工夫したり,複数のプログラムを作成し選択出来るようにしたり,てびきを改定したりと保健婦が悪戦苦闘している姿が浮かんでくる.
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