Scramble Zone
ヨーロッパの看護教育と国際機関の役割
華表 宏有
1
1産業医科大学医学部公衆衛生学教室
pp.64-67
発行日 1997年1月25日
Published Date 1997/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901548
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はじめに
いまヨーロッパの看護教育が,全体として大きな変革の時期にあることは明らかである1~3).その背景として,国際化,情報化の進展とともに保健・医療・福祉領域での需要・供給の変化,あるいは女性の社会進出など地球規模でみられる時代の特徴的潮流に加えて,旧ソ連邦,中・東欧諸国の崩壊と再編成.さらに欧州共同体(European Community:EC)から欧州連合(European Union:EU)4~7)への移行に象徴される「欧州統合」を目指した政治,経済領域で起こっているヨーロッパ地域に固有な諸要因が介在していることは容易に理解される.
このような大規模な変革の時期にあたって,当該地域での看護教育の刷新にかかわりのある国際機関は何であり,それぞれがどんな役割を果たしつつあるのかに着目し,理解を深めることは,国別の事例研究とともに,看護教育のカリキュラム改正8)の時期に遭遇しているわが国の関係者にも,大変興味ある研究課題ではないかと考えている.
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