特集 第5回日本病院学会
病院学会印象記
岩佐 潔
1
1病院管理研修所
pp.39-42
発行日 1955年8月1日
Published Date 1955/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200987
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梅雨時と言うのが例年の病院学会で去年も細かい霧雨が大学の銀杏の葉をしめしていた。今年は去年より1日早い6月18日場所も目黒日吉坂上の公衆衛生院と代つて幸に雨も落ちていない。門柱に第5回日本病院学会会場と書かれた立札が立掛けてある以外にはこれと言つて目を惹くものもない。案内知つた公衆衛生院のことであるからすたすた入つて行くと玄関前に看板をぶら下げたスマートな自動車が置かれて居り4—5人の人が中をみている。近よつて見ると試作されたトヨダの急救車だ,一般演題の第2番目に出て来る車だなと思う。会場は三階の大講堂で詰めれば300人は入れそうだ。定刻30分も前なのにすでに可成りふさがつて居る。会場の世話を引受けた人々が暗幕を引いたり幻灯を用意したりしている。舞台裏の世話はなかなか大変である。もつとも病院管理自体が舞台裏の仕事の様なものだとも考えてみる。
定刻を少し遅れて8時45分長岐会長登壇して開会を宜する。会場はすでに8分の入り,白髪の老先生が居られるかと思うと溌刺とした女性も交り,色々な種類の人がそれぞれ興味を持つて集つているから面白い。
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