調査・研究
国立大学医療技術短期大学部における看護教育カリキュラムに関する調査報告
国立大学医療技術短期大学部看護学科協議会・看護教育検討委員会
pp.137-143
発行日 1995年2月25日
Published Date 1995/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901059
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
わが国の現在の看護教育は,さまざまな教育課程,すなわち,大学(看護学部・科,教育学部看護教員養成課程),3年課程(短大,専修・各種学校),2年課程(短大,専修・各種学校),准看課程(高校,専修・各種学校),保健婦課程,助産婦課程,保健婦助産婦課程などによって行なわれている.このように複雑な教育課程がもたらす問題点を含む看護教育への関心は,直接関わる教員や看護学生にとどまらず,高齢社会の到来,国民の健康への関心の高まり,保健医療に対するニードの多様化,女性の高学歴化の進展などから保健医療関係者をはじめ国民全般においても高まりつつある.
3年課程に該当する国立大学医療技術短期大学部(以下,国立医療短大と略す)の看護教育においても,幾つかの問題点を抱えているが,その大きな問題点の1つが,各短大のカリキュラム構築の際の必須条件についてである.すなわち,各短大のカリキュラムの構築に際しては,「短期大学設置基準」ならびに「保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則第七条3項の教育内容を示す別表三」(以下,指定規則「別表三」と略す)の要件を満たすことが求められている.この二重規制は,授業の科目や時間などを制約し,その結果,各短大の特殊性,地域性などを踏まえた独自の特色あるカリキュラムの構築を阻む最大要因になっている危険性が高い.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.