特集 医療過誤・看護事故から学ぶ
判例からみた 看護婦の役割と法的責任
菅野 耕毅
1
1岩手医科大学
pp.661-668
発行日 1988年7月1日
Published Date 1988/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922032
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はじめに
看護事故の責任の問題は,看護業務が医療における専門的業務として独自性を持ちつつも,医師の業務と密接不可分な関係にあることから,だれがどのような責任を負うべきかについて一様には扱えず,複雑な様相を呈している.また,医師の業務と看護業務の関係が,時代の進展につれて変化しており,それによって看護事故の責任問題のあり方も変わりつつあるように思われる.
このような看護事故の責任の問題に対する1つのアプローチとして,本稿においては,看護事故判例を取り上げ,その判例分析を通して,看護婦の責任を医師の責任との関係においてとらえるとともに,それが時代によってどのように変遷したかを考察する.
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