主張・提言
国立病院人員削減問題で見えてきたこと―いつになったら安心して教え子を送り出せる看護界になるのか?
田口 正男
1
1神奈川県立弥栄東高等学校
pp.274-276
発行日 1994年4月25日
Published Date 1994/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900820
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私はここ数年,教え子たちを看護婦(士)の世界へ送り出す立場から,様々な機会を通して看護教育へ提言をしてきた1~4).そのような中,昨年より問題になっている国立病院人員削減問題は,その附属の看護学校へ多くの生徒たちを送り出している私にとって心中穏やかではなかった.生徒たちの多くが国立病院へ就職したいがために,実習から慣れ親しめる国立病院附属の学校を選び進学して行ったからである.
ご承知のとおり,この人員削減は厚生省が赤字続きの国立病院経営を改めるため,昨年8月の会計検査院の指摘に基づき,定員外職員(以下賃金職員)約1,800人を4年間で削減する命令を出したことからはじまる.賃金職員の給与は,「人件費」ではなく,「庁費」(いわゆる物件費)からの支出であり,その金額が86億円にもなって,庁費を圧迫していることが根拠となっている.
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