特集 医療の多様化とPOS―第15回日本POS医療学会報告
教育講演
POSと看護過程
松木 光子
1
1大阪大学医学部保健学科
pp.917-920
発行日 1993年11月30日
Published Date 1993/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900711
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わが国のPOSや看護過程のあゆみとその適用状況
わが国において看護計画や看護過程という概念や方法は,チームナーシングとともに患者中心の看護を行なうために米国から導入され,指導されてきました.表1に,POSと看護過程に関する主なわが国の文献や出来事を整理しました.文献的には,1950年代にすでに実際に適用されています.その方法は問題解決法であり,問題解決過程でした.このように看護界は,POS以前から問題解決法に慣れていたはずだといえます.
一方,POS(Problem Oriented System)はL. Weedが1969年に考案した問題志向型医療記録システムです.Weed自身も,医療過程自体が以前から問題解決過程で医療を行なっているので,総合医療を実現するためにその医療過程にのっとってPOSを考案したと述べています.このように,両分野がPOS以前からそれら実践過程で患者に適したケア提供のために問題解決過程をたどっていたと言えます.
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