特集 本気で看護研究に取り組むために
学生時代の研究指導は役立っているか?―臨床看護婦へのヒアリングから
稲垣 絹代
1,2
,
林 千冬
3
1千葉大学看護学部
2浪速医療生活共同組合芦原病院
3東京大学大学院医学系研究科
pp.816-821
発行日 1993年11月25日
Published Date 1993/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900689
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はじめに
日本における看護研究の創生期は,雑誌「看護研究」(医学書院)が創刊された1968年だったと言われている1).この年に,看護教育カリキュラムの中にも「看護研究」が正式に位置づけられ,以来今日に至るまで,看護学系の学会,研究会は増加の一途をたどっている.これらが,研究や教育の専門家のみならず,数多くの臨床「看護婦」の参加によって支えられてきたことは周知の事実である.
臨床における「看護研究」の隆盛だけを見ても,基礎教育(看護婦養成課程の教育)における「看護研究」の重要性が一層増してきていることは明らかであろう2).現在,准看護婦養成課程を除くほとんどの教育課程においては,「看護研究」「卒業研究」等と称する科目の選択が必須とされている.しかしその内容や方法は,現状では学校養成所によってまちまちであり,また,その内容が卒業後どのように生かされているか,あるいは不十分だった点は何か,といった検討も十分なされているとは言い難い.
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