特集 ターミナルケア教育
医療従事者となる学生のためのターミナルケア教育
庄司 進一
1
1信州大学医学部
pp.838-845
発行日 1991年12月25日
Published Date 1991/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900309
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はじめに
出版界・新聞などのジャーナリズムや研究会・学会などでの変化を見ると,最近のターミナルケアに対する国民の関心が以前にも増して高まってきている.特に日本人の多くが病院で死を迎えることが普通となり,その最期が決して幸せなものでないことに気づいてきている.人生の最期を幸せにすることは,人生に有終の美を飾ることとなる.ターミナルケアを充実したものにするためには,社会に連なる人々がしっかりした死生観をもち,ケアをするチームの各自もそれぞれしっかりと死生観をもっていることが大切であろう.ここに医療従事者になる学生の教育の,1つの重要な目標がある.
若い学生がターミナルケアの重要性を認識して,死や生に関して深く考察する機会をもつことが,ターミナルケア教育の出発点だと思う.この様な問題を単に総論として話を聞くだけでは若者は興味をもちえないであろう.どの様なアプローチが最も多くの学生の関心を集め,積極的に参加する学習となるのか,私は授業・実習・ゼミナールなどでこれらを試みてきた.その実践の一端を紹介して皆さんのご意見をお聴きしたい.
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