NURSING EYE
『サンドイッチの年』
服部 朝子
1
1愛知県立看護短期大学
pp.194-198
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900034
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この1年は私にとって,正に『サンドイッチの年』であったように思う.
『サンドイッチの年』,それはPierre Boutron監督のフランス映画で,15歳のユダヤ人少年ヴィクトールの日々を描いたものである.その中で,同じユダヤ人の老古物商マックスは次のように少年に語りかける.「いいか,今年はバカなこともしたが,お前は大人になった.大人は夜中に泣かないなんて思ったら違うぞ.涙も人を造るんだ.今年は辛いこともいろいろあったろうが,人生に5度や6度はこんなことがある.残りは何てことはない日々の連続さ.今年のような年は,ハムの薄切れのようなものだ.2枚の厚いパンの間に挟まって.つまり,サンドイッチの年だ.そういう時は,よく噛みしめなきゃならん.カラシが一杯で涙が出ても,全部食べなきゃならんのだ.全部だ.いいな?」
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