実践報告
新カリキュラム 成人看護学実習の学習内容の検討と実習場所開拓への取り組み―地域に目を向け、社会と学生のニーズに応える
古屋 吉崇
1
1独立行政法人 国立病院機構 横浜医療センター附属横浜看護学校
pp.570-574
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202306
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はじめに
成人看護学の対象は、青年期・壮年期・向老期と人生のライフサイクルで長期間に及び、社会的責任や役割が大きい世代である。発達段階の特徴として、対象は自立かつ自律し意思決定できる存在であり、次世代の人々を育み、高齢者や子どもの生活を支える課題がある。そのため、健康障害を患ったとしても、生活者としてどのように病気と家庭・社会生活と折り合いをつけて自分らしく生きていけるかが重要である。
少子高齢化が進む中で、地域医療構想の実現や地域包括ケアシステム構築の推進に向け、人口および疾病構造の変化に応じた医療体制の整備が必要である。当校の旧カリキュラムにおける成人看護学実習では、健康障害のある成人期を対象に慢性期、急性〜回復期、終末期における看護を展開していた。しかし、人口構造の影響で学生の受け持つ対象のほとんどは高齢者であり、成人期の対象理解は難しかった。
看護は、対象の生活スタイル、価値観などの多様性を踏まえQOLを追求していく必要がある。そこで、新カリキュラム移行に伴い当校の周辺地域には、どのような成人期の対象が生活し、仕事、役割を担っているかを重点に置いて学習内容を見直した。本稿では、当校独自の学習内容と実習場所の開拓への取り組みについて紹介する。
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