特集 今こそ新人看護師支援を 移行期に教育機関ができること
―鹿児島医療技術専門学校の新人看護師移行期支援―卒後教育におけるホームカミングデイの効果
花園 千恵子
1
1鹿児島医療技術専門学校
pp.712-719
発行日 2022年12月25日
Published Date 2022/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202015
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はじめに
新卒看護師が職場に適応できず辞めていく原因として、リアリティショックが問題となって久しい。「保健師助産師看護師法」「看護師の人材確保の促進に関する法律」の改正により、2010年4月から新人看護職員の卒後臨床研修が努力義務化となったが、看護の質向上、医療安全、早期離職防止の観点から、新人看護職員研修は不可欠であるといえ、各病院・施設でさまざまな取り組みがなされている。
最近では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により医療はひっ迫し、心身ともに看護師の負担も増している。卒業時の学生からは、臨地実習の減少に伴う技術の習得不足、たとえば患者とのコミュニケーションスキルに関する不安を感じる声も聞かれる。
本校では、2019年より卒後4〜5か月経過したころに卒業生を母校に招待し、卒業生同士の交流の場や技術の再確認を行う目的で「ホームカミングデイ」を実施している。2019年以降毎年開催しているが、2020年はCOVID-19拡大によりリモートで開催し、2021年は感染対策のもと、対面で開催することができた。本稿では、「ホームカミングデイ」の取り組みの実践報告を行い、卒後教育への教育機関としてのかかわりの効果について考察する。
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