特集2 ―看護教員として知っておきたい―今の学生とコミュニケーション
セルフケアとしてのポジティブ心理学―コミュニケーションの新しい軸
秋山 美紀
1
1埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科
pp.610-616
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201992
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コロナ禍によって、当たり前と思っていたことが当たり前でなくなりました。コミュニケーションはその最たるものだと思います。会いたい人になかなか会えず、親愛を込めたハグや握手もできない状況です。接触はできなくても、こころのつながりは保っていたいという思いに、オンラインでのコミュニケーションは効果をもたらしています。しかし、新しいことを始めるには戸惑いもあります。これを機会に新しいコミュニケーション方法を進めていくうえでの「こころの整え方」を考えていく必要があります。その際には、当たり前のことを見つめて、今あるものを最大限に活かす、ポジティブ心理学の考え方がきっと役立つと思います。
ポジティブ心理学とは、問題点だけではなく、物事のポジティブな側面にも着目し、個人や組織や地域をもっと豊かに、もっと繁栄させるにはどうしたらよいかということを科学として探求した学問領域です。コロナ禍であっても、こころはつながっていきたいと思う看護教員が新しいコミュニケーション方式に触れるとき、ポジティブ心理学はこころのセルフケアについて考えるのに最適だと思います。
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