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書評 事例から学ぶ地域・在宅看護論―訪問時のお作法から実習のポイントまで
薬袋 淳子
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1岐阜医療科学大学看護学部
pp.1065
発行日 2021年11月25日
Published Date 2021/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201850
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多くの事例をとおして、地域・在宅看護の基本が学べる
本書は、著者・篠崎惠美子氏と藤井徹也氏が、保健師助産師看護師学校養成所指定規則の改正を見越して執筆された書籍である。10年以上ぶりの看護基礎教育の見直しで、統合分野「在宅看護論」が、基礎看護学に続く「地域・在宅看護論」へと変更された。この授業で「すぐに使える本が欲しい」といわれたら、私は本書をおすすめしたい。
目次をみると、第1部は「実習に行く前に知っておきたい地域・在宅看護の基本」、第2部は「事例を通して地域・在宅看護を学ぶ」となっており、どのような内容が盛り込まれているのかがイメージできる。章立てをみると、基本的マナーや情報収集のポイントなど、学生が知りたいことがかなり具体的に書かれている。たとえば、療養者の自宅を訪問するときのマナーについては、「インターホンを鳴らしてから一呼吸おく」「玄関を出た後も気を抜かない」など、まさに学生に必ず伝えておきたいツボが取り上げられており、さすがである。“できて当然”という行動が教員の思い込みであることを再確認させてくれる。また、器具の写真やわかりやすいイラストが随所に盛り込まれているため、インパクトのあるテーマと併せて、学ぶ側の記憶に定着しやすい内容になっていると思う。
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