特集 医療安全教育力を向上しよう
看護基礎教育における医療安全教育の現状と課題
小林 美雪
1
1健康科学大学看護学部
pp.8-17
発行日 2021年1月25日
Published Date 2021/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201639
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看護基礎教育における医療安全教育は、2003年に示された医療提供体制の改革ビジョンを受けて、保健師助産師看護師学校養成所指定規則(以下、指定規則)の第4次改正(2008年)により、看護の統合と実践として教育内容に加えられ、現在に至っています1)。
この指定規則改正に向けた検討会2)では、患者の安全が重要視されるなかで、学生の技術修得機会の減少・限定化が進んでいる臨地実習の現状と、それによる新人看護師のリアリティショック、高度医療についていけないことによる早期離職、臨床現場の要求とのギャップ、就職後の多重課題への対応困難、新人看護師の事故やヒヤリ・ハット事例へのかかわりの多さなどの多くの課題が看護基礎教育にあるとされています。そして、その打開策としての臨床実践に近いかたちでの学習を求め、具現化として位置づけられたのが統合分野における「医療安全の基本的知識の修得」でした。これは、それまでのような各専門科目に依拠した安全教育だけでは、現在の医療の現状に対応できる看護実践能力の獲得に至らないことを示したものでした。
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