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書評 ─『精神科ならではのファーストエイド─搬送時サマリー実例付』─苦しみの主観的体験への道標に
清水 隆裕
1
1聖隷クリストファー大学
pp.823
発行日 2018年9月25日
Published Date 2018/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201082
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本書を開くと,凄まじい自傷行為の再現場面がありありと迫ってきます。精神科とか急変時の看護実践という視点で眺めると,危機的状況におかれた患者さんの身体的安全を,どう取り扱うのが最善なのかという実践的方法論がていねいに説明されています。現場の看護師には,お守り代わりの一冊となるでしょう。
さて,看護教育という視点で眺めた場合は,著者が「患者さんの心に向けてどう声かけし対応するかが決定的に大事」と述べているように,自傷や自殺企図をせざるを得ない主観的体験に,思いをはせられるようなこころの醸成に主題があるように見えます。
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