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書評 ─『絵でみる脳と神経 しくみと障害のメカニズム 第4版』─大胆なイラストで難解な世界を切り拓く
鎌倉 やよい
1
1日本赤十字豊田看護大学
pp.587
発行日 2018年7月25日
Published Date 2018/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201029
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本書は医学書院のJJNブックスとして1991年に初版が上梓されて以来,2001年に第2版,2009年に第3版,そして2017年12月にはJJNから離れた書籍として第4版が出版された。実に,四半世紀を超えて愛読されている書籍であり,本書に導かれて脳神経を学んだ医療者は多く,その意味から医療の世界への貢献は計り知れない。
私も本書に導かれた1人である。1987年ごろから脳卒中後の嚥下障害を課題として研究に取り組み始め,正常の機能から嚥下障害のメカニズムを理解しようとした折に,偶然に出会ったのが本書であった。それは衝撃的であった。とにかくわかりやすい。脳と神経の複雑なしくみの理解は一般的に難しいが,本書では目的にそって情報が精選されたイラストを中心として,視覚的に構造と機能が説明されて,障害のメカニズムが表現されている。第3版では「摂食・嚥下障害」「認知症」が追加され,この第4版ではこれまでのコンセプトを引き継ぎながら,第2章の障害のメカニズムで「てんかん」「高次脳機能障害」が追加された。
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