特別寄稿
「評価力を上げるための目的・計画のつくり方ワークショップ」に参加して得たもの
野崎 真奈美
1
1東邦大学看護学部
pp.284-288
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200723
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教員の自己評価能力向上の重要性
看護教育においては,看護系大学の急速な増加により教員の確保が難しいうえに,わが国の経済状況と大学全入時代により多様な背景をもつ学生への対応が求められ,教員個人の教育能力の向上と組織によるFD(ファカルティ・ディベロップメント)の必要性が叫ばれている。新たに大学教員となる新人教員といっても,大学院を修了したばかりの若手が助教になる場合と看護部長など臨床経験豊富な管理者が教授になる場合など背景も多様である。筆者は大学で教育にあたっているが,毎年教員が入れ替わるなか,新人教員をどのように迎え支援していくのか苦慮している。そこで一昨年,受け入れる側のベテラン教員,入ってくる新人教員といった当事者たちが交流しながら方向性を見出す新人教員支援システム勉強会を立ち上げた。大学に限らず短大,専門学校,高校の教員が集まって智恵を出し合っているが,教員の育成は看護教育界が抱える共通の課題であると実感した。
では,どのように教師の教育力を高めればよいのか。教員1人ひとりがPDCA(plan─do─check─action)サイクルを適切に循環させ,教育活動を自律的に修正し続けることが必要なのではないだろうか。PDCAサイクルとは,目標達成に向けてplan(計画),do(実施・実行),check(評価),action(反映・改善)のステップをふんでいき,A=反映・改善が次のP=計画とD=実行・実施の改善につながると期待するものである。
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