連載 心一文字・10
『信』
園家 文苑
,
水戸 優子
1
1神奈川県立保健福祉大学
pp.917
発行日 2014年10月25日
Published Date 2014/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200004
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教員になって2年目である私の部下は,自分に自信がないときや,相手の言ったことが信じられないとき,眉間に3本のしわがよる。私はそのしわを「信」のバロメーターと勝手に呼び,新人教員教育の目安にしている。
あるとき,先輩教員と組ませて統合実習の指導にあたってもらった。結果,学生はとてもよい実習ができたのだが,私に報告にきた彼女の眉間には3本のしわがあった。聞くと,「先輩のようにうまく指導できなかった」などと否定的な反応ばかり。そこで,時間をかけて一緒に実習の振り返りを行い,できているところを承認した。すると私の言うことは信じられたようで,眉間のしわは1本に減った。残りの1本はそのままにしたが,経験を積んで自分に自信がついたときにはなくなるだろう。そのときが来るのを信じている。
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