連載 ひろがる災害医療と看護 身につけるべき知識とスキル・11
被災者・支援者の心理反応
大沼 麻実
1
,
大滝 涼子
1
,
金 吉晴
1
,
石井 美恵子
2
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所災害時こころの情報支援センター
2東京医療保健大学東が丘・立川看護学部
pp.902-909
発行日 2014年9月25日
Published Date 2014/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102832
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災害直後のこころのケア
WHO版心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド)の支援とは
大沼麻実/大滝涼子/金吉晴
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 災害時こころの情報支援センター
サイコロジカル・ファーストエイド誕生までの歴史
大規模災害が発生すると,支援のために国内外のさまざまな団体が被災地に入る。こうした団体による多様な支援は被災者の幅広いニーズに対応できるが,ときには支援方法や目的・目標の違いから支援者あるいは組織間に摩擦が生じることもある。したがって1つの支援方法だけを絶対視することは避けられるべきであり,支援者には他の支援活動との連携や調和を心がけることが求められる。
他方で,支援活動の多様性を尊重すべきとはいえ,そうした活動は基本的に国際的なエビデンス,合意に基づいて実行される必要がある。しかし現在でもなお,国際的に支持されていない心理的ディブリーフィング(Psychological debriefing)などを取り入れた活動も一部に見受けられており,かえって被災地に混乱を生じることもある。
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