特集 広域・複合災害に備える―自治体の公衆衛生活動
被災地における被災者(住民・公衆衛生関係者)の支援活動―陸前高田市の現地調整・後方支援活動から
佐々木 亮平
1
1日本赤十字秋田看護大学看護学部看護学科
pp.947-950
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102285
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被災地に常にいないことがもたらす客観性
筆者は,あの3.11発災以来,現在(平成23年9月末)までの半年あまり29週間のうち,ほぼ毎週,延べ56日間を岩手県陸前高田市(以下,被災地)に通い続け,支援活動を継続している.それは筆者が,平成14~18年度に岩手県大船渡保健所の職員として勤務した後,平成19~22年までの3年間,陸前高田市役所に派遣され,家族とともに生活をし,多くの職員や市民のみなさんとともに「陸前高田市で」地域保健活動を行っていたからである.
発災以降,1週間ほどの交代制で短期的に支援に入るチーム,年単位の長期支援に入るチーム等がある中,「当面,毎週入る」という変則的な支援体制をとったのは,筆者の大学本務との兼ね合いや,災害救助法の枠とは異なる動きとならざるを得なかった等,諸事情があったためである.しかし結果的には「常に現地には居続けないが,現地の実情に精通し,常に現地の状況と経過を把握しながら継続的に協力できる」というスタイルが,被災地にも支援者の一人でもある自分自身にも,良い意味で客観性を持たせていると考えている.
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